ストレスと対策のお話

先日、NHKスペシャルでストレスの特集が組まれていました。
私たちの命を奪いかねない「キラーストレス」と呼ぶべきストレスのメカニズムのお話でした。この特集の秀逸なところは、その怖さを助長するのではなく、脳科学や生理学など最先端の研究によって、ストレスが血管や脳を破壊したり、がんを悪化させたりするといった、人を病に陥れる詳細なメカニズムが明らかにし、さらには世界の最新研究から分かってきた効果的なストレス対策について伝えてくれたところです。この番組から得た情報を中心に、ストレスに関する情報をまとめました。
●ストレスとは
脳の扁桃体が不安や恐怖を感じると ストレス反応と言われる反応が始まり、ストレスホルモンが分泌されたり自律神経が興奮したりします。そのために心拍数が増える、血圧が高くなるといった反応が起こります。
ストレスは100年前にある学者が「外からの刺激によって起こる歪みに対する反応」と定義し、「ストレスを引き起こす外からの刺激」をストレッサーとよびました。ストレッサーは、寒冷、騒音、放射線といった物理的なもの、酵素、薬物、化学物質などの化学的なもの、炎症、感染、カビといった生物的なもの、怒り、緊張、不安、喪失といった心理的なものがあるとされています。普段私達が「ストレス」とおもっているより広範囲にわたる物が、ストレスを引き起こす原因となっていることが分かります。(詳しくはこちらをご覧下さい。)
●キラーストレスとは
一つ一つは小さくても、多くのストレスが重なった危険な状態のことをいいます。
血管が破壊され、脳卒中や心筋梗塞、大動脈破裂を引き起こします。
心臓の筋肉を流れる血液が減少し心不全を引き起こす、がんを悪化させる、体内に入った細菌を増やして血管の破壊を起こすなど、命に関わることもわかってきました。
*ストレス度をチェックしたい方、キラーストレスについて詳しくご覧になりたい方は、以下のリンクをご覧下さい。
http://www.nhk.or.jp/special/stress/01.html#check
●ストレスが関係する病
ストレスがかかると自律神経の興奮やストレスホルモンが過剰な状態に陥り、さまざまな病気を引き起こしたり悪化させたりします。
ストレスが関係する主な病は、以下の通りです。
・蕁麻疹(じんましん)
・アレルギー
・胃炎
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・脳卒中
・心筋梗塞
・糖尿病
・エコノミークラス症候群
・うつ病 など
●ストレス対策
アメリカ心理学会は5つの対策を勧めているそうです。
1)ストレスの原因を避ける
2)運動
3)笑う
4)サポートを得る
5)マインドフルネス(瞑想)
番組で紹介された方法は以下の2つです。
1)コーピング
2)マインドフルネス(瞑想)


心をむしばむストレスとして注目されているのが「コルチゾール」です。長く続くストレスでコルチゾールが多量に分泌されると、脳の海馬で、神経細胞の突起を減少させることが分かってきました。海馬は、記憶を司り感情に関わる部位で、損傷すると認知症やうつ病につながる可能性が見えてきたのです。
こうした心の病を防ぐためのストレス対策として、認知行動療法をストレス対策に応用した「コーピング」と、瞑想をベースに生まれたプログラム「マインドフルネス」が紹介されました。
●コーピング
番組内で臨床心理士さんが紹介された『コーピング入門』の方法は、以下の通りです。
(1)ストレスに対する気晴らしや対策をリストアップ
100個を目標に「できるだけ多くあげる」
(2)実際にストレスがかかった時、それがどういうストレスなのか、自分の体にはどのような反応として現れたか、客観的に観察
(3)そのストレスに見合った気晴らしや対策を、リストの中から選んで行う
(4)その結果、ストレスが減ったかどうかを自分で判断
まだストレスを感じていたら、さらに対策を続けたり、別の対策に切り替える
*ストレスの観察、対策を、意識的、徹底的に繰り返すことが大切だそうです。
●マインドフルネス
番組で紹介された『マインドフルネス入門』は以下の通りです。
最初は10~15分を目安に始めます。
(1)背筋を伸ばして、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座り、目を閉じる
(2)呼吸をあるがままに感じる
(3)わいてくる雑念や感情にとらわれない
(4)自分の周りの空間の隅々に気を配り、見守る
(5)瞑想を終了する
まぶたの裏に注意を向け、そっと目を開けていきます。
伸びをしたり、身体をさすったりして、普段の自分に戻ります。
*うつ病などの治療を受けている方は、自分の判断で始めず医師に相談してください。
以下のリンクから、もっと詳しい方法をご覧頂けます。音声による誘導も有ります。
http://www.nhk.or.jp/special/stress/02.html#check
東洋医学でストレスは「肝」を傷めると考えます。その状況が継続すると「(肝鬱)気滞」となります。SHANTIでは「(肝鬱)気滞」の方に、前述のコーピングお家で行って頂くようお薦めしています。
ツボでは、手指鍼の「ストレスポイント」、「内関」穴がお薦めです。
(詳しい場所は検索してみて下さいね!)
マインドフルネスを自分で行うのは難しいという方へ、SHANTIでストレスリセット瞑想法の体験をして頂けます。詳しくはお問い合わせ下さい。
info@shanti-ctm.com
東洋医学(推拿)における、ストレスへの作用(施術によるストレス抵抗力の変化)については、学会発表資料をご覧下さい。
<>をクリックするとページを移動できます。

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