2013年5月25〜26日に大阪で開催された、社団法人日本中医学会学術総会における日本チベット医学交流特別招待講演「Pulse Diagnosis(チベット医学における脈診の不思議)」にて通訳をさせて頂きました。
チベット医学は、中医学とアーユルヴェーダ、そして仏教の思想がそれぞれうまくミックスされ、調和しているように見受けられました。 私が担当させて頂きましたPulse Diagnosis(脈診)については、脈診部位等は中医学(東洋医学)の六部定位とほぼ同じなのですが、男性と女性で寸口部でみる臓腑が逆になっているのが興味深かったです。 その理由として、心尖部が女性は左に男性は右に傾いていることからそうなった、ということです。 又、脈を男性脈、女性脈(性別とは関係ないが、粗い<ー>細いなど、何となくしっくり来る部分もある)の他に、菩薩脈というのがあり、別名を中性脈というそうです。 驚いたのが、鬼神脈といい悪霊等が取り憑いたときの脈についての説明も有りました。その場合は、医学による治療ではなく、患者の信じている宗教における儀式(お祓い等)でそれを鎮めるのだそうです。 病因についても、生活習慣や食生活のみならず過去生のカルマによる場合もあるそうですが、一般的なものは無明(無知)、執着、怒りの3つから発生するというのは、今の日本においても頷けるものがあると思いました。 Nyima先生はとても穏やかで、いつもニコニコされていました。 それでいて、医学についてお話されるときは真摯で、一生懸命伝えようと言う熱意が伝わってきて、私にとってとても貴重な時間でした。 過去には格闘技で世界と繋がってきましたが、これからは伝統医学で世界と繋がる、という自分の方向性が見えた本当に素晴らしい体験でした。 Nyima先生始め、久々の通訳をガッチリ後方支援して下さったかりゆしクリニックの東院長、そしてこの機会を下さいました研究会の木本代表理事に、つたない通訳では有りましたが熱心に聞いて下さいました聴衆の皆さまに、心より感謝申し上げます。 ありがとうございました! これを機に、「中医学(東洋医学)の通訳・翻訳なら、畠中に」と言ってもらえるように、精進したいと思います^^
左から、通訳のラクシュミさん、私、チベット医師Nyima Tsering先生
チベットは現在中国人が多く住み、チベット人達はインド北部のダラムサラ(ダライ・ラマ法王のチベット亡命政権の正式名称は、 「中央チベット政権 CTA (Central Tibetan Administration)」である。CTAは、チベットにおけるチベット政府の延長として、1959年4月29日ムスーリーに設立され、1960年5月にインド北西部のダラムサラに移された。)、ネパールなどに入植し暮らしています。
チベット医学はこれらの都市に限らず、ロシアを始めとする多くの国で人々の生活と密着しています。
3000年の歴史が有るとも言われていて、メンツィ・カン(Men-Tse-Khang チベット 医学暦法研究所)でこの医学を学ぶことや治療を受けることができます。
http://www.tibethouse.jp/culture/medicine1.html *ドクター・ダワの「チベット医学入門」にて、概要をご覧になれます。
http://bontendo.ocnk.net/product-list/38 *メンツィ・カンのお茶を購入出来るサイトを、発見しました!