コレステロール その7・日本でのコレステロールに関する値とその経緯

コレステロールに関する値について、整理しておきます。
・L/H比   LDLとHDLの比(L/H比)が血管の健康にとても重要だと言われています。
L/H比 :状態
1.5以下 :健康
1.5~2.0 :コレステロールの沈着が起こるリスクあり。注意が必要。
2.0~2.5 :コレステロールの蓄積が増えて、動脈硬化が疑われる。
2.5以上 :血栓ができている可能性あり。心筋梗塞のリスクも!
・総コレステロール
■女性 今までの正常範囲 140〜199mg/dL
    改定後の正常範囲 30〜44歳:145〜238mg/dL
             45〜64歳:163〜273mg/dL
             65〜80歳:175〜280mg/dL
■男性 今までの正常範囲 140〜199mg/dL
    改定後の正常範囲 151〜254mg/dL
総コレステロール値の成人女性の平均値は207.2mg/dLで、男性は196.6mg/dLでした。女性は男性に比べて、もともとHDLコレステロールが高い傾向にあるため、総コレステロールも高くなります。
・LDLコレステロール値
■女性 今までの正常範囲 60〜119mg/dL
    改定後の正常範囲 30〜44歳:61〜152mg/dL
             45〜64歳:73〜183mg/dL
             65〜80歳:84〜190mg/dL
■男性 今までの正常範囲 60〜119mg/dL
    改定後の正常範囲 72〜178mg/dL
男女ともに正常となる範囲が拡大され、基準が緩くなっています。
・LDLコレステロール値の計算
総コレステロール値-(中性脂肪値÷5)-HDLコレステロール値
注意:中性脂肪数値が400mg/dl以下であることが条件となります。
コレステロールに関する数値については、立場による見解の違いなどで色々意見が分かれるようです。そこでその背景を知る為に、これまでの経緯について、少しご紹介しておきます。


日本では一般に「コレステロール値が高い」と言うのは「総コレステロール値が220以上」の場合を指します。これは日本動脈硬化学会が作成した「動脈硬化性疾患診療ガイドライン」が大きく影響しています。これは動脈硬化性疾患をスクリーニングための診断基準としています。スクリーニングでは220以上でも、多くの患者が特に治療を必要とはしないケースがあるとされています。
スクリーニングには精密検査を必要とする患者予備軍を簡単な検査によって精密検査前に絞り込むことが求められますが、総コレステロール値が220以上をすべて患者予備軍としてしまうため、男性では26%、女性では33%が要精密検査と判定されます。動脈硬化による主な病状は心筋梗塞ですが、コレステロール値を検査することで動脈硬化と心筋梗塞の予防が求められるのに、現状では心筋梗塞が男性に比べて1/2から1/3の女性の方が多くの割合で要精密検査となってしまいます。
1980年代まではこの基準が250から240になっていましたが、これは95%の人がこの基準値以下で健康であったためです。1987年に日本動脈硬化学会が「コンセンサス・カンファレンス」で基準値を220としたため、以降は220が使われているのです。220が科学的な妥当性を欠いているという意見は決定以降も多数あり、6年間5万人を対象に行われた「日本脂質介入試験」の結果も240を境に有意に心臓の冠動脈疾患のリスク上昇を示していたが、結果として2007年現在も220が基準とされています。一度は1999年に240への改定の直前まで行きましたが、日本動脈硬化学会内の改定反対派の主張する「220がすでに定着しており、変更すれば医療現場に混乱が起きる」という意見が通り見送られました。240を採用すると患者数が半減するため、病院経営の危機を招くとしての判断が働いたのではないかとする見方があります。220の基準でスクリーニングに掛かって診察を受け、動脈硬化疾患などの病気と診断された後、治療目標値がなぜか240といきなり緩和される逆転現象が起きてしまうという、不合理な状況にあります。
(少し古い情報のようですが、新しい情報が見つかるまで、そのまま掲載しておきます)
最後に、このコレステロール7シリーズを作成した経緯や参考文献・サイト等(本文中にリンクを貼っていないもの)を掲載しておきます。
経緯:
サロンのお客様で「コレステロール値が高い」と、健康診断で指摘されている方が多くいらっしゃることが分かりました。東洋医学(中医学)の概念に「コレステロール」が存在しなかったことと、鍼灸・あんま指圧マッサージの学校に現在通っていますが、その授業で学んだ基礎知識だけではお客様に適切なアドバイスができないことから、3週間にわたり様々な情報を調査し、お客様にご案内する為に良いと思う情報をわかりやすく整理することにしました。
中でもWikipediaの情報は大変参考になりました。これらをまとめる上で、学校で習った基礎知識が、数ある情報の真偽を見分けるのにプラスになったことを考えると、西洋医学的な基礎知識の重要性も否めません。大好きな東洋医学(中医学)をさらに多くの人に役立てて頂ける様に、西洋医学ももう少し踏み込んで学んでいきたいと思います。
参考にさせて頂いた情報を提供されている皆さんお一人お一人にご挨拶できておりませんが、この場で御礼申し上げますとともに、不備等がございましたらお知らせ頂ければ幸いです(info@shanti-ctm.com)。
参照サイト・参考文献:
Wikipedia
http://www.ldl-cholesterol-o-sageru.com/ コレステロールを下げるAtoZ
脂質異常症の治療法
悪玉コレステロールと善玉コレステロールの役割と違い
http://kounenki.hajime888.com/k013.html
「老けない体をつくる食べ方」
「中医食療方」
「食べて治す 栄養成分辞典」
「医学常識はウソだらけ−分子生物学が明かす「生命の法則」−」

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