気血水・「水」について(水滞、津液不足)

「水」は、「津液」ともいい、湿気の多い日本ではこの不調がおこりやすいので、対策をする為のヒントになればうれしいです。
「水(津液)」とは:
「血」と源は同じですが、「血」以外の体液のことです。
例えば、リンパ液から鼻水まで、体内の赤くない液体全部です。
潤いと栄養を与える作用があります。
津液は、津と液に分けられます。
・津:澄んでさらさらとした体液で、汗や尿など。
・液:粘り気があり、髄液、涙、鼻水、唾液など。
働き:
 ①臓腑や身体各所を潤します。
 ②身体の恒常性を保ちます。
*恒常性(ホメオスタシス):生物体が外部環境の変化や食物の影響にもかかわらず、体温 ・ 血糖値 ・ 血液酸性度などの生理的状態を一定に保つことと、その仕組みのこと。
「水」が病むと・・・水滞(水の停滞)、津液不足
水滞(痰湿)・・・津液が停滞すると、冷えを生じます。これが熱せられると痰湿となって、気血の流れを邪魔します。
 症状:


  ①むくみ
  ②身体の冷え
  ③身体が重い
  ④胃のつかえ
  ⑤腹部がぽちゃぽちゃする
  ⑥軟便
  ⑦舌苔は白く分厚い、ねっとり
 
 治療につかうツボ:
  陰陵泉、豊隆、尺沢、脾兪、腎兪
*痰湿:胸部でおこると咳、痰、腹部でおこると悪心、食欲不振。
津液不足・・・陰虚内熱に発展する(年配の方に多い)
(陰虚とは「体内の陰と陽のうち、陰が少なくなった状態のこと」で、そのため陰の熱を冷ます作用が弱くなり「体内が熱をもったような状態となること」を内熱と言います。)
 症状:
  ①夕方以降の微熱
  ②寝汗(東洋医学では、盗汗「とうかん」といいます)
  ③手掌、足裏のほてり、頬のほてりと赤み
  ④不眠・多夢
  ⑤口の乾き、目や鼻、皮膚の乾燥
  ⑥舌の色が赤い(紅舌)、舌苔は薄い
 治療につかうツボ:
  三陰交、腎兪、復溜、太谿、照海
水(津液)は、どちらかというと「陰」的な物質のため、停滞してたくさん集まると冷えを生み、少なくなるとほてりを生みます。

関連記事

  1. Ⅰ型糖尿病とiPS細胞について

  2. 解剖学

  3. 推拿

  4. 快眠の意外なヒント(夜中に足がツル人にも)

  5. 腰痛の時に使うツボ(腰痛のタイプ別)

  6. ●講演&東洋医学実技講習会@徳島●

PAGE TOP